大分県発達障がい者支援専門員の会倫理綱領
本会は、大分県発達障がい者支援専門員の会会則第2条に基づき、この倫理綱領を定める。
<前文>
大分県発達障がい者支援専門員(以下SVと明記) は、その活動や研究によって得られた知識と技能を、発達障がい等を含む障がいのある人々に対する支援推進のために用い、またその発展に寄与することに努めるものである。
そのため、SVは、自らの専門的な業務及び研究が発達障がい者支援の推進及び発展に重大な影響を与えるものであるという社会的責任を自覚し以下の綱領を遵守する義務を負うものである。
<責任と人権の尊重>
第1条
1. SVは、自らの専門的業務の及ぼす結果に責任をもたなければならない。
2. SVは、その業務の遂行に際しては、人権尊重を第一義と心得なければならない。
3. SVは、その業務の遂行に際しては、個人的、組織的及び政治的な目的のためにこれを行ってはならない。
<技能及び資質向上>
第2条
1. SVは、本会が定める専門的技能を活用して、対象者や対象学校・施設に対して支援を行うものとする。
2. SVは、常にその知識と技能を研鑽し、高度の技術水準を保ち、資質の向上に努めるとともに、自らの能力と技能の限界についても十分にわきまえておかなけれ ばならない。
<アセスメント>
第3条
1. SVは、対象者のアセスメントを行うに際しては、対象者の人権に留意し、アセスメントを行う際に対象者に事前に十分に説明し、理解を得ておかなければならない。なお、対象者が未成年の場合には、その保護者にも説明し、理解を得ておかなければならない。
<援助・指導>
第4条
1. SVは、自己の専門的技能の範囲内で業務を行うと共に、常に最善の専門的援助・指導を提供するように努めなければならない。
2. SVは、対象者や対象学校・施設等の信頼感又は依存心を不当に利用しないように留意しなければならないと共に、その業務を行うにあたっては、職業的関係のなかで のみこれを行い、対象者又は対象学校・施設等の関係者との間に不適切な関係をもってはならない。
<研究>
第5条
1. SVは、発達障がい者支援のための研究を行うに際して、対象者または対象学校・施設等の関係者に不必要な負担を掛け、又は、苦痛もしくは不利益をもたらすことを行ってはならない。
2. SVは、その研究が業務の遂行に支障を来さないように留意すると共に、対象者や対象学校・施設等の関係者にその研究の目的や方法などを説明し、同意を得た上で行わなければならない。
3. SVは、研究成果を公表するにあたっては、学術的に公正であり、社会的責任を明白にすることが求められる。
<秘密保持>
第6条
1. SVは、業務上知り得た個人情報や事項については、その保護に努め、必要と判断した以外の内容を他の者に漏らしてはならない。
2. SVは、事例または研究の公表に際して、特定個人や特定学校・施設等の資料を用いる場合は、対象者や対象学校・施設の秘密を保持する責任をもたなければならない。 SVをやめた後も、同様とする。
<公開>
第7条
1. SVは、一般の人々に対して 発達障がい等や支援に関する知識又は専門的意見を公開する場合には、公開内容について誇張がないように、公正を期さなければならない。
2. SVは、前項の内容が、商業的、宣伝的、広告の場合は、社会的影響 について責任がもてるようにしなければならない。
<他の専門職との関係>
第8条
1. SVは、他の専門職の使命、権利、技術を尊重し、相互の連携に 配慮するとともに、その業務の遂行に支障を及ぼさないように心がけなければならない。
<記録の保管>
第9条
1. SVは、対象者や対象学校・施設等の記録を 5 年間保存しておかなければならない。
2. SVは、記録の保管にあたっては、個人情報の保護に努めなければならない。
<倫理の遵守>
第10条
1. SVは、この倫理綱領を十分に理解し、遵守するよう常に注意しなければならない。
2. SVは、違反の申告が発生した際には、倫理委員会の調査・裁定を受ける場合がある。
附 則 1.本倫理綱領は、平成30年 4 月 1日から施行する。